ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2015.9.25 20:01

朝まで生テレビ。デモ好きに疑問が残った。

『朝まで生テレビ!』を視聴。
途中うとうとして1時間ほど抜けてしまった部分があるけど、
ずいぶんSEALDsを持ち上げる出演者が多いなあという印象だった。

SEALDsを叩くのは大人としてみっともない、という風潮があるみたい
だけど、あれ見てたら、はっきり言いたくなっちゃうよ。

ジャーナリストの今井氏は、たびたびその意見には同意したけど、
若者のデモには、妙に肩入れしすぎているように感じた。
ベルリンの壁崩壊などの例を挙げて
「デモには意味がある。意味がないなんて、歴史を無視している」
とまで言い切っていたが、一体なに言ってんだ? と思った。
今井氏の挙げた歴史上のデモは、国民がぼろ布を纏って
食うや食わずの生活を強いられるような、政情不安定の
極限状態の国において発生したものだ。
私が東ドイツで過酷な状態に置かれたことのある人間だったら、
「お母さんがご飯を作って待っていてくれる幸せ」や
「おばあちゃんがお小遣いをくれて、ありがとうと言える幸せ」を
守りたいとか言ってる学生の集いなんかと一緒にするなよと
憤慨すると思う。

今井氏は、SEALDsの姿に、燃えていた頃の若かりし自分を
投影して、全力で肯定したいだけでは?
先輩面して、デモ現場での自分の逮捕歴まで語ってみせたのも、
どうなのか。
歴史上のデモの現場に居合わせて、高揚感溢れる歴史の転換を
目の当たりにしたがために、その体験が強い快感として体に残って
しまっただけでは?

デモに参加する人を、強く非難するつもりはなかったけど、
今井氏の高揚気味の持ち上げ方と、若者の大騒ぎ映像、
石田純一なんかの変なパフォーマンス姿が同時に脳裏に浮かんで、
結局みんな、デモジャンキー状態なんじゃないの? とすら思えてきた。

SEALDsの2人は、まるで条文を読みあげるように
「若者に限らず、みんなそれぞれ個人でしっかりと考えていく必要がある」
「戦争法案に賛成派も反対派もいる。個別に議論をしている」
と何度もくり返していたけど、いざ、

「では、きみたちは、軍隊を必要だと思うの?」

と質問されたとき、オロオロして、なにひとつ自分の言葉で明確な考えを
言わなかった。

「軍隊って、ど、どんなのを言ってるんですか?
米軍みたいなものとか、スイスみたいなものとか……」

小林よしのり先生から、盾と矛の説明でもって問い詰められて、

「…それなら、軍隊はあってもいいという考え方もできるけど……」
「…どんな軍隊の形があるかというのがあるので、それはみんなで
話し合いながらだんだんに決まっていくことだと思うので……」

なんなんだよ、イライラするなあ。
こんなのでよく「議論してる」とか言えるよなあ……。
SEALDsは、個人がしっかりと考えている運動だというのに、
個人の意見を言ってはいけない法律でもあるわけ?
みんなで話し合いながら、
『なんとなくこれなら合意できるよね? ボク、和を乱してないよね?』
という、右見て左見て空気を読んだ意見しか、発言してはいけないわけ?
ヤバいでしょ、それ!
自分の発言に責任を背負う覚悟もない人が、デモに使命感じてるって
ことでしょ?
おばさん、自分の家族にそんな子いたら、怒るよ!!









泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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